こんにちは。gamba流(ル)の武部です。
そろそろ夏休み、夏休みといえば読書ということで、
今回は、普段忙しいビジネスマン、特に男性管理職の方々向けに
“付き合い方が難しい女性社員の気持ちが理解できるようになって、コミュニケーションが上手くいくようになる(かも)”というおすすめの小説を5冊紹介したいと思います。
女性社員と上手く付き合うことは男性管理職の方々に必須のミッションです。
女性を味方につけることで、社内の人間関係が円滑になり→業務がスムーズに回るようなり→個人やチームの業績が上がる!と考えられるからです。
日頃から女性社員とのコミュニケーションにお悩みの方は、まずは女性の気持ちを理解することから始めてみませんか?
暑くてどこにも行く気になれない休日やちょっとした旅先のお供に、ぜひ読んでみてください。
1.ガール/奥田 英朗
30代バリキャリ女性のプライドと、譲れない気持ちがわかる1冊
『空中ブランコ』で直木賞を受賞するなどで有名な奥田英朗さん、男性が描く女性の職場小説です。5つの短編で構成されていて、すべて30代の女性が主人公です。
不動産会社や広告代理店、自動車メーカーなどで働く一流企業の総合職、いわゆる“バリキャリ”女性です。
この本のおすすめポイントは3点あります。
1点目:女性不在の人事や社内政治のおかしさに気付く
大手企業にありそうな派閥人事や社内政治が、時に社員の仕事の足を引っ張ってることに気付きます。でも、強いバリキャリ女性は仕事の邪魔をする社員が許せません。例えば、女性の上司が気に食わない年上部下にはこう言います。
「女と仕事をするのがいやなら、相撲協会にでも勤めるといいよ。どこへ行っても女はいるからね。女の子じゃない、女がね」
2点目:30代の女性に訪れる様々な転機への理解が深まる
「仕事+結婚」「仕事+出産」「仕事+子育て」「仕事+独身のマンション購入」など、30代の女性に訪れる様々な転機が描かれています。職場にいる同じ立場の女性をイメージして読んでみると、社内ではわからない女性の人生の葛藤に対して理解が深まるかもしれません。
3点目:“いい上司”について考えさせられる
それぞれの職場に登場する男性上司のキャラクターも見所です。調子のいい上司、仕事を任せてくれる上司、理解がありそうでない上司…
働く女性社員にとっての“いい上司”を考えるきっかけになると思います。
どの話もストーリー自体がおもしろく、読み終わった後の爽快感もありますよ。
2.『ジューシー』ってなんですか?/山崎 ナオコーラ
「『ジューシー』ってなんですか?」 (集英社文庫)
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山崎 ナオコーラ
集英社 (2011-11-18)
売り上げランキング: 258,619
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女性の働き方だけでなく、職場の格差についても考えさせられる1冊
主人公は男性ですが、同じチームの女性の感情もしっかりと描かれています。業界最大手の広告代理店…の近くにある、新聞の「ラテ」欄を制作する職場が舞台です。
チームのメンバーは全員20代で、毎日朝から晩まで、休日も働いています。
でも「意見を求められることがない職場」で、一生懸命仕事をしても評価もされず、得をすることはひとつもないという過酷な環境です。
ブラック企業かもしれません。
この職場には、全く同じ仕事を行う直接雇用の社員と別の会社から派遣されている契約社員が働いています。
責任をとることすら許されない環境は辛い
登場する女性の一人が、仕事でミスをしてしまいます。ただし、この女性は別の会社からきている契約社員のため、自分で責任をとることが許されません。
自分のミスを、同い年の男の子に責任取ってもらうことほど、屈辱的なことはない。「責任感」を持つことは社員が成長する大事な要素です。
責任感を持って仕事をしているのにそれを全うできない環境では、働くモチベーションが一気に下がってしまいます。
働きやすい職場環境や仕事のやりがいはありますか
この本では男女の働き方以上に、正社員と非正規社員、若者の働き方、仕事の意欲、やりがい・・・など様々なことを考えるきっかけになると思います。山崎ナオコーラさんは個人的に非常に好きな作者なので、その他の作品もぜひ読んでみてほしいです。
3.嫌な女/桂 望実
地味な女性とモテる女性…タイプの異なる女性への関わり方がわかる1冊
タイトルに惹かれますね。この本では、弁護士の徹子と同い年で遠い親戚の夏子という2人の女性主人公の生涯を描いています。 徹子は生涯に渡り、モテ女夏子のトラブル処理をさせられます。
タイプの異なる女性たちと振り回される男性たち
仕事一筋でちょっと不器用な女性と周りを振り回す自由奔放な女性、思い浮かびますよね?全体のストーリーの中で「働く女性」の性質を強調しているわけではないのですが、
全くタイプの異なる2人のキャラクターを楽しみながら、こんなタイプにはどうやって関わっていくのがいいか、などを想像して読んでほしいと思います。
人生の教科書になる長編
真面目な女性社員に損な役割ばかりさせないように、奔放な女性社員に振り回されないように、プライベートで怪しい女性に引っかからないように…ぜひ今後の参考にしてみてください。2人の女性の生涯を疑似体験できる長編です。
4.漢方小説/中島 たい子
ストレス社会で心が弱ってしまう女性もたくさんいて、みんなギリギリのところでがんばっているんだ!ということがわかる1冊
続いての主人公は31歳の女性です。職業はフリーのライターです。とあるストレスで体調を崩してしまうところからストーリーが始まり、どの病院でも解決できない病気を「漢方」つまり東洋医学を用いて解決していくという物語です。
気付いてほしいポイントは下記3点あります。
1点目:“病んでる女性”って結構多い
この本では“心が病んでる女性”に焦点を当てています。みなさんの周りにもいるはずです。心が弱い女性って、ものすごく多いのです。
2点目:ギリギリのところでがんばってる女性たちの思い
みんな、具合が悪い中をだましだましどうにかやっているんだ。と、精神を安定させるために手芸にはまってみたり、
何かに頼るのはいけないことで、自分の力だけで本来は生きていかなくてはいけないと思い込んでいるところがある。という脅迫観念があったり、
この歳になっても精神を病気と結びつけることに素直になれない。と、自分の性格が病気を引き起こすことに自己嫌悪になったり。
心の病の原因は仕事だけではありません。
仕事でもプライベートでも「自分はどうしたいんだろう」というテーマの答えを探して迷走してしまうことがあるのです。
3点目:病んでる女性のケアには「包容力」
漢方医の先生は、病気は「自分が生み出す変化で、自分の一部」と言い、病気を否定しないのです。この言葉に主人公は救われます。ストレス社会で働く女性社員をケアするためには、漢方医の先生のような包容力が必要なのかもしれません。
5.すーちゃん/益田 ミリ
読みやすいゆるふわ漫画の中で、微妙な女性の気持ちが伝わる1冊
最後に、小説ではなく文庫の漫画を紹介します。2013年に映画も公開されています。アラサー独身カフェ店員のすーちゃんと近所に住む友人のまいちゃんが主人公です。
まいちゃんは営業職でバリバリ働いているのに対し、すーちゃんはナチュラルライフに憧れるようなゆったり系の女性です。
2人とも、仕事に対する姿勢はとても真面目で日々頑張って働いていますが、それぞれの悩みを抱えながら暮らしています。
自分探しと漠然とした将来への悩み
すーちゃんは収入が低く恋人もいない現状に対し、ぼんやりとした将来の悩みを感じています。「今の自分では嫌だけどなりたい自分もわからない」 といった、人生に対しての悩みです。いい生き方ってどんな生き方なんだろう
幸せを目指して生きることが正しいこと?幸せにゴールってあんのか?
など、重ーーーい、深ーーーい、誰にも答えがわからなそうなことを日々考えています。
今の自分に満足している女性(男性含め)なんてほとんどいないと思いますが、この漠然とした悩みを言葉にされるとドキっとします。
30代独身で、忙しい仕事を続けていく意味
一方でまいちゃんは、忙しい仕事を続けていく中での迷いやストレスを抱えています。30代で結婚していないことに対する上司の嫌みには、
これくらいのイヤミはどうってことないと受け流したり、
日曜に取引先のホームパーティに呼ばれて
休まず働いて何があたしの手に入るんだろうと憂鬱になってみたり。
女性が嫌がるNGワードと長時間労働には気をつけましょう。
男性が共感できるか?
なにげない一言と細かすぎる心理描写に共感する女性も多いと思いますが男性の方々はどのように感じるでしょうか。
あっさりとした話の中にも女性の気持ちを理解するためのヒントがあるかもしれません。
30分もあればサクっと読み終わると思います。
まとめ
いかがでしたか?女性といえば「ドロドロしたコミュニティ」を連想される方も多いかもしれませんが、
今回紹介する本の中には1ミリも出てきません。
仕事をがんばっている女性には、そんな暇ありませんから。
これを読んで、少しでも女性社員との心の距離が縮まるといいなと思ってます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事の投稿者: BE-TAKE
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