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みなさん、こんにちは。gamba流編集部のコージです!

今回はビジネスに役立つひとつのキーワードとして「デザイン思考」について取り上げてみたいと思います。というのもAppleのiPhone6やiPhone6 Plus、Apple Watchの発表を見て、「デザインはビジネスにおいてとても大切な要素だなあ」と改めて感じたからです。

とはいえ「デザインはデザイナーが考えるべきであって、ビジネスには関係ない」と思われる方もいらっしゃるはず。しかしながらデザインで活用されている考え方や手法をビジネスに取り入れていく、ということならいかがでしょう。

もしかしたら、いま展開中の事業やこれから始めようとしている事業を良い方向に導くことができるかもしれません。その原動力となる可能性を秘めているのが「デザイン思考」なのです。ぜひ一緒に学んでいきましょう!

記事にあたって参考にさせていただいた本はこちらです。





この本の著者はIDEOというアメリカにあるデザインコンサルテイング会社のCEOであるティム・ブラウン氏です。IDEOは単に見栄えのいい製品をデザインするといったデザイン制作会社とは違い、企業の組織改革や発展途上国の社会問題など広い領域に踏み込んでビジネスを実践しています。そのIDEOが指針としているのが「デザイン思考」です。

デザイン思考とは――価値を創造するために人間を中心に考えること

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ではデザイン思考とは何か、ということですが、実は明確に定義するのは難しくティム・ブラウン氏はIDEOのサイトで以下のように述べています。



Design thinking is a human-centered approach to innovation that draws from the designer's toolkit to integrate the needs of people, the possibilities of technology, and the requirements for business success.” 

「常に人間を中心に据えた、新しい価値を創造するためのアプローチ」とでも言えばいいのでしょうか。具体的な手法というよりもコンセプトや概念として、とらえたほうが良さそうですがイメージしづらいですね…。

しかしご安心あれ!本書ではデザイン思考を実践するために、「デザイン思考を始めよう」ということで、「デザイン思考とあなたの組織」としていくつかの項目を挙げて具体的な紹介がされています。例えば以下のようなものです。

  • 人間中心のアプローチを尊重する


デザイン思考はまず対象顧客に権限を与える。(中略)人々の行動を観察し、経験が製品やサービスに対する反応に与える影響を理解する。物事の機能的な性能だけでなく、感情的な価値をも考慮に入れる。それを通じて、人々の隠れた(潜在的な)ニーズを把握し、機会へと置き換えるのだ。

  • 早めに何度も失敗する


どれだけ早くアイデアを形にし、検証・改良できるか?(中略)活気あるデザイン思考の文化では、完成したアイデアの検証方法としてだけでなく、創造プロセスの一環として、すばやく、安価で、粗削りなプロタイプ製作を推奨している。

また個人としてデザイン思考をどのように活用すべきかという点においては、こちらも具体的に「デザイン思考とあなた自身」というテーマでいくつかの項目が挙げられています。例えば以下のようなものです。

  • 何を?」でなく「なぜ?」を問う


「なぜ?」と尋ねることは、問題の枠組みを見直し、制約を定め直し、よりイノベーティブな答えを切り開く機会となる。

  • 視覚化する


観察やアイデアを視覚的に記録しよう。ノートにラフなスケッチを描いたり、携帯電話のカメラで写真を撮ったりするだけでもかまわない。(中略)こういった絵や写真が、参考となるアイデアや、共有するアイデアの宝庫となるのだ。

これらをお手本にデザイン思考に触れてみることは可能です。取っ掛かりとして使えるのではないでしょうか。

あのメーカーも活用していた!デザイン思考の事例

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実際にデザイン思考でどのようなイノベーションが起こったのかも気になりますよね。本書では、例えば自転車パーツメーカーのシマノとのビジネスが挙げられています。

『自転車ロードレースおよびマウンテン・バイク部門で成長の鈍化に直面していた(本書より)』というシマノは、IDEOとの協業により「コースティング(coasting:惰性=ゆっくり、のんびりといった意味合いがあるようです)」というコンセプトを打ち立て、自転車に乗らなくなって久しい人たちも含めて、誰もが楽しく自転車に乗る体験ができるコースティング・バイクを開発します。

結果として、このバイクに使われた高度な技術部品がトレックやジャイアントなど大手メーカーに採用され、各社が新型自転車を開発するに至るのです。

またバンク・オブ・アメリカの例では、新たな顧客を呼び込む商品アイデアの実現として、顧客に貯金を促すというコンセプトを考案。ここから試行錯誤、検証、プロトタイプ製作を経て生まれたのが「キープ・ザ・チェンジ(お釣りを貯めよう)」というサービスです。

これはデビットカードでの支払い時に支払った金額がドル単位で切り上げられ、差額が顧客の口座に振り込まれるというもの。



たとえば、朝にスターバックスでラテを買い、デビットカードで3ドル50セントを支払うと、現金で4ドルを支払った場合に受け取れるはずの50セントのお釣りが預金口座に貯金されるというわけだ

このサービスを展開した初年度、バンク・オブ・アメリカは、70万件(!)の新規当座預金口座と100万件(!!)の新規預金口座が開設されたそうです。

事例はこれら以外にもいくつか掲載されています。
興味のある方はぜひご一読ください!
 
まとめとして、この本は
  • ビジネスに何かしらの新しい考え方を取り入れたい方
  • ビジネスに創造性を活かすためのヒントが欲しい方
といった方に、面白く読んでいただけると思います。

なおこの本はどちらかというとティム・ブラウン氏のデザイン思考論が展開される教科書的な内容です。もっとIDEOの実例を多く知りたい方は、古い本になりますが同社ゼネラル・マネージャーのトム・ケリー氏によるこちらをオススメします。





またIDEOについては日経ビジネスの記事やTED動画も見られます。
興味深い内容ですので、この機会に合わせてこちらもお楽しみください!

発想する会社・IDEOはこう考える(日経ビジネス)

ティム・ブラウン氏によるTED動画
デザイナーはもっと大きく考えるべきだ

創造と遊び

IDEOチーフ・クリエイティブ・オフィサーPaul BENNETT氏によるTED動画


この記事の投稿者: gamba流(ル)編集部 コージgamba流(ル)編集部 コージ