こんにちは。gamba流編集部のカナコです。

業務効率や社員のQOLの向上を求めて、ワークスタイルの変革に踏み切る企業が増えている昨今。リモートワークについて書かれたビジネス書 『強いチームはオフィスを捨てる ~37シグナルズが考える「働き方革命」~』話題になりましたよね。

今回ご紹介したいのはこの本の著者の一人、ジェイソン・フリード氏によるTED講演(※1)。
米国のソフトウェア開発会社「37シグナルズ」の創業者兼CEOであるフリード氏、
そのスピーチの内容はズバリ、「人々が職場で”仕事“をしない理由」について、です。 
 

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さて、みなさんに質問です。
「仕事に集中したい時、どこに行きますか?」


こう聞かれたら、あなたは何と答えますか?

10年に渡り、この質問を繰り返し問うてきたというフリード氏。
返ってくる答えは、ベランダやキッチン、カフェや図書館、それに電車や飛行機の中。
さらには、早朝や深夜、または週末であれば場所はどこでも、と答える人もあったといいます。

すなわち、「オフィスと答える人はほぼゼロ」。

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フリード氏は、オフィスで仕事をしようとする時、突然の頼まれごとや
諸々の予定のために、まとまった時間が取れないという現象について触れています。
とりわけ問題となるのが、フリード氏のいう「M&M's」

すなわち、マネージャー(上司)とミーティング、
この二つこそが今日のビジネスにおける2大問題であり
「他の場所では起きないオフィス内の妨害」だとフリード氏は言い切ります。
どちらの理由も……言わずもがなですよね。

とはいえ、幹部クラスの方は同意できませんよね。
テレビや散歩、横になれるソファなど、
誘惑は外にも数多くあるじゃないか、という声が聞こえてきそうです。
FacebookやTwitter、YouTubeも、格好の妨害としてカウントされそうです。

自らも経営者であるフリード氏は、そうした問題も心得ていると前置きした上で、
「しかし、それらは本当の妨害ではない」と続けます。



「そういうものは任意で発生する妨害だからです。
 テレビという誘惑を見るのは本人が選択します。冷蔵庫や散歩に向かう時も本人の選択。
(対して)オフィスで人々の仕事を中断させる邪魔や妨害のほとんどは強制的です」



こうした状況を打破するためのブリード氏の提案は三つ。
共通するコンセプトは、「仕事を片付けたい時はオフィスへ行く」という風に仕向けることです。

1.“サイレント・サーズデー”を設ける

例えば月に一回、木曜日の午後はオフィスで誰も話してはいけないというルールを設けてみる。従業員に、誰にも邪魔されない静かな時間を提供することで、「互いに話しかけなければ、なんと膨大な量の仕事が片づくことか」とブリード氏は続けます。
一度試してその価値を認識したら(認識できるとブリード氏は強く言っています)、
徐々に頻度を上げていくことを推奨。

2.より受動的なコミュニケーションツールに切り替える

二つ目の提案は、コミュニケーションのツールを、メールやメッセンジャーなど
従業員が「対応するタイミングを自分で選べるもの」に切り替えることです。
一方でNGとされるのが、肩を叩いて話しかける、会議を開くといった能動的な コミュニケーション。
ブリード氏いわく「上司はログアウトできません」。
なんて刺激的なメッセージでしょうか(笑)。 

3.予定された会議があり、あなたに権限があるなら、とりあえず中止する

これは、実践するにはちょっとした勇気が必要です。
しかも延期ではなく「なかったことにしましょう」とのこと。
「来週月曜日の朝9時に予定していた話し合いや決断は忘れましょう。
それでも全てうまくいきます。自由な朝を迎え、自分の頭を使えるでしょう。
そして必要だと思っていたことが実際には必要なかったと気づくでしょう」
とブリード氏は言っています。

ムダ(!?)な会議を、有益な時間に変える
”散歩ミーティング”のすすめ


さて、ブリード氏が問題のひとつとする会議ですが、
勇気を出して中止してみる……のは実際にはなかなか厳しそうなので、別の提案をひとつ。

会議の質を高める方法として、おすすめしたいのが”散歩ミーティング”です。

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オフィスやカフェを抜け出して、歩きながら会議を行う散歩ミーティング。
米国ではウォーク&トーク・ミーティングと呼ばれ、アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏が好んだミーティング・スタイルとしておなじみです。最近ではFacebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏をはじめ、多くのトップ経営者や政治家が支持していることから再び注目を浴び、ビジネスハックのひとつとしても定着しつつあります。

この散歩ミーティングについて昨年、全米企業の間で話題になったTED講演があります。
Appleなど多くのIT企業で働き、経営幹部も務めたビジネスライター、
ニロファー・マーチャント氏の『Got a Meeting? Take a Walk(会議をするなら散歩しながら)』(※2)。

マーチャント氏によると、人が座って過ごす時間は1日平均9.3時間。
これは平均睡眠時間の7.7時間よりも長く、こうしたライフスタイルを続けていると、胴回りが太くなるだけでなく、乳がんや結腸がん、心臓病、II型糖尿病などのリスクが高まるとのこと。

座って過ごすことがあまりに当たり前となっている今、
”座りすぎ”が健康に及ぼす影響について疑問を抱く人はほとんどおらず、
「かつての喫煙と同様に危険な行為」だと指摘しています。

この対策としてマーチャント氏が提案しているのが散歩ミーティング。



 「歩きながらミーティングをするようになって、わたしの生活はすっかり変わりました。
 (中略)新鮮な空気がどれほど新たな発想をもたらすかを知れば、みんなきっと驚くでしょう」

 


マーチャント氏自身、会議の相手から「犬の散歩に行く時にミーティングをしましょう」と誘われたのがきっかけではじめたといいます。
それまでの「健康を気遣うことと、会議という義務を果たすことは、どちらかを犠牲にしなければならない」という考えがくつがえされ、今では週に30~40マイルの散歩ミーティングを実践。
「常識を破っているこの素晴らしいアイデア」は、次の二つのことをもたらしてくれたと述べています。

■ 型にとらわれない考え方
 
■ 問題を180度逆からとらえる視点

マーチャント氏も、最初に散歩ミーティングを提案された時は少し奇妙に思った上、次第に息切れがして話せなくなるのでは……と疑問を持ったそう。
けれど二つ目の「物事を反対側から見る視点」を持てるようになったことで、「このような歩きながら話すというアイデアも実行・持続・発展可能になったのです」と続けます。

加えて「横に並んで歩くことで、力関係が対等になる」、すなわち、
ひとつのプロジェクトに一緒に取り組んでいるという視点が強化されるというメリットもあるそうです。

日本では、「恥ずかしい」、「PCがないと不安」
なんていう声が聞こえてきそうですが、折しも季節はスポーツの秋。
運動不足解消との一挙両得ととらえて、気軽にはじめてみてはいかがでしょう。


〈参考にしたTED〉
 


この記事の投稿者: gamba流(ル)編集部 カナコgamba流(ル)編集部 カナコ