みなさん、こんにちは。gamba流編集部のカナコです。

突然ですが、チームを率いるリーダーに求められる資質って何でしょう。
強いリーダーシップ?直感力?コーチングの心得?はたまたカリスマ性?

そうした特別な素質やスキルがなくても、結果を出すチームをつくることは「誰にでも」できる!と提唱する、新しい視点のビジネス書をご紹介したいと思います。

個々の能力が低いわけではないのに、なかなか結果が出ない……。

言い訳や反論ばかりで、「動こう」とする人が少ない……。

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このようなチームを率いるリーダーは、多くの場合、一人ひとりの意識を改革・向上させようと必死になるもの。

そんな現状に、「人を変えるな。空気を変えよ」という鋭いメッセージを投げかけているのが、こちらの本です。

「空気」で人を動かす
横山信弘
フォレスト出版
売り上げランキング: 6,822


著者は、”目標を絶対達成させるコンサルタント”として知られる、横山信弘氏。
本の帯には、
 徹底的に現場主義の超人気コンサルタントが、
【NLP理論】【脳科学】【行動経済学】に基づいた究極メソッドを大公開!
とあります。


まず実践すべきは「場の空気」を変えること

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「人」を変えようとしても、
チームや組織が変わらないのはなぜでしょうか?
それは、「場の空気」が悪いからです。

ここでいう「場の空気」とは、集団の価値観・判断基準のこと。
 
目に見えないものだけに見過ごされがちですが、
「空気」は人々を規制する大きな力を持っている』と横山氏。
自身もコンサルティングの現場で「空気」のもつ”絶対的権威”に、何度も辛酸をなめた経験があるそうです。

具体的にどういうことをいうのか、「大きな声で挨拶する」という目標を例に見てみましょう。

その「場」にいる人、チームのメンバー、誰もが大きな声で挨拶しているのであれば「大きな声で挨拶する」ことに躊躇する人は少ないでしょう。

それが「当たり前」だと感じ、「そういうもの」だと誰もが受け入れているのであれば、多くの人がその価値基準に違和感を覚えません。

ところが、場の「空気」によっては、「やらない」「受け入れない」という選択もでてきます。すべては「場の空気」、つまり、その集団の「価値判断」次第で、変わってしまうのです。

そして、「場の空気」が人々に影響を与える理由。そのひとつが、脳の働きによるものです。
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脳には、ミラーニュートンという神経細胞(通称、ものまね細胞)があり、他人がしていることを見て、我がことのように感じる”共感”能力を司っていると考えられています。

このミラーニュートンの働きにより、人は、近くにいる人の言動や思考を無意識にモデリングしていると横山氏。
つまり脳は、良くも悪くも場の空気に大きな影響を受けているのですね。
緊張している人の近くにいると、自分にも緊張が「うつる」のは、まさしくミラーニュートンの働きだそうです。

もうひとつ、日本人は空気を読み取る力に長けているため、”場の空気”にとても影響を受けやすく、良い空気にも悪い空気にも感化されやすいとも。
加えて、日本人は、経済合理性に基づいた意思決定よりも「空気」によって判断する傾向が強いといわれており、そのため、「場の空気」がなおさら重要であると続けています。


目指すのは、間違いを指摘し合える「締まった空気」


では、横山氏が理想とする「空気」とは?
それは、「締まった空気」です。

■ 上司も部下も関係なく、間違っていることを「間違っている」と互いに指摘し合える
■ 失敗した時に「言いわけしない」
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この二つが「締まった空気」の条件とのこと。
対して、よろしくない空気として挙げられているのが……

緩んだ空気(なあなあの空気)
失敗した時に言いわけをする、間違いを指摘したら反論したり見て見ぬふりをしたりする

縛られた空気(ガチガチの空気)
失敗した時に言いわけをする、部下から上司には間違ったことを指摘できない

さらに、上記のような空気を放置しておくと、最悪の空気である「ほどけた空気」に。
「ほどけた空気」が蔓延しているチームや組織には、「目標など達成できるわけない」といった後ろ向きな発言を公然とする人が現れるなど、チームとして崩壊に向かっていると解説されています。 


「場の空気」がよくなれば、人は自らどんどん動き出す


ここからは具体的に、空気を変えるための方法論を見ていきましょう。
「空気が変わる」ということは、
これまで「当たり前」「普通」だと受け止めていたことが、
そうではなくなっていくことを指します。

空気は、その場における価値基準です。
ですから、新しい価値観が入り込み、浸透していくことで「空気」の変化が起こります。 
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本書には、「実践テクニック」として次のような見出しが並んでいます。
なお、これらのテクニックは単独ではなく、組み合わせて実践することに意味があるそうです。

「空気革命」 三つの基本テクニック


1.空気に向けて発信する
『人を変えるのではなく、空気を変える。そのために大事なことは、「空気」が変わるまで、「空気」に向かって、部下に伝えるべき情報をリーダーが発信し続けること』と横山氏。この段階ではまだ空気革命は起きません。まずは、新しい空気が浸透しやすくなる下地をつくることからスタート!

2.「コーチング」ではなく「ティーチング」
1の下地づくりと並行して実践するのが、こちら。
メンバーの6割を占める「可燃人(※1)」を変える方策を取ることです。
『「言う」、「伝える」のではなく、「教える」という姿勢が重要です』と横山氏。
緩んだ空気が蔓延している時は、自主性を重んじすぎないことがポイントだそう。 

(※1)可燃人
他人に火をつけられれば、燃える(=意識を変える)ことができる人。メンバーの6割を占めるとされていて、場の空気を左右するキーパーソン的存在。この可燃人の意識を変えることが、横山氏の提唱する「空気革命」の肝となる

3.正しい承認をする
過剰承認をせず、組織にとって正しい行動をした人を認め、ほめるようにする。
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それぞれの具体的なメソッドは本書を読んでいただくとして、
ここでは、「1.空気に向けて発信する」について見てみましょう。

『「1対1」の環境では声をかける』、『「1対多」の環境をつくって発信する』など、
具体的な方法論が紹介されている中、注目したいのが『省略した「ぼかし表現」をしない』という項目です。

日本語は省略されやすい言語であり、そのせいで独特の「空気」が形成されてしまう。
かつ、省略した言葉は、意識の高い「自燃人(自ら燃えることのできる人)」には伝わっても、「可燃人」「不燃人(なかなか燃えない人)」には伝わらない可能性がある、というのが理由です。

さて、気になる「ぼかし表現」ですが、具体的には次のような台詞が該当します。

「今期こそは積極的にいこう」
「ベストを尽くすつもりでやってくれ」
「コスト削減を徹底してほしい」
 
あれ、言っちゃってるかも……?
ギクリとした方も少なくないかもしれません。

山崎氏は、こうした「ぼかし表現」を避けるための対策として、
細かいディテールを作り込むことを提案。それが、「4W2H」。
誰が(Who)、いつまでに(When)、どこへ(Where)、何を(What)、どれぐらい(How much)、どのように(How)――を明確に伝えることです。 

時間、人、場所、物、数量、手法……、それぞれの軸で、
細かく掘り下げて話すことで「改まって話している」という印象を与える効果があります。
(中略)
事あるごとに発信するのがポイント。
「4W2H」で落とし込んだメッセージを、空気に向かって発信し続けること。
8か月以上は繰り返すつもりで実践してください。
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最初はギクシャクすることを覚悟しましょう


横山氏の提唱するこれらの方法論は、その場限りだったり短い期間に
効力を発揮したりするものではなく、「持続性」と「再現性」をともなっていることがポイントです。
そして、空気は徐々に変わっていくもの。
スマートな変革など求めず、ギクシャクすることを覚悟して
手順を守ることが必須だと繰り返し述べています。

本書には、さらに一歩踏み込んだ応用編として、
「説教臭くならない話法(マイ・フレンド・ジョン)」、「硬直した空気を柔らかくする技術(グッド&ニュー、サンキューレター)」といった興味深いテクニックが並んでいます。

もうひとつ読み応えがあるのが、「組織を変えようと思った時にとりがちな間違った対策」のくだり。
「にわかコーチング」「意識調査と称したアンケートの実施」「過剰承認」「金銭的報酬」の四つが挙げられています。中でも、「過剰承認」と「金銭的報酬」はどちらもデリケートな問題であることから、
読んでおいて損はない持論が展開されています。
 

以上、チームを変える空気革命メソッド、いかがでしたか?

チームにとって、何を「当たり前」とし、何を「そういうもの」だとするのか。
それを形成していくための働きかけがリーダーには欠かせないのですね。
 
プロジェクトリーダーや中間管理職の人はもちろん、趣味や地域の集まりの幹事役、
上司や同僚をやる気にさせたい若手社員まで、さまざまな場に活用可能できる「空気革命」。興味を惹かれた方は、ぜひご一読ください。

この記事の投稿者: gamba流(ル)編集部 カナコgamba流(ル)編集部 カナコ